SAPの会社概要
SAP SE(ドイツ本社について)
項目 | 詳細 |
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正式名称 | SAP SE |
設立 | 1972年 |
創業者 | ディートマー・ホップ (Dietmar Hopp)、ハッソ・プラットナー (Hasso Plattner)、クラウス・チラ (Klaus Tschira)、ハンス=ヴェルナー・ヘクター (Hans-Werner Hector)、クラウス・ヴェルンケ (Claus Wellenreuther) |
従業員数 | 10万5,000人 |
本社所在地 | ドイツ・ヴァルドルフ |
1972年に、IBMを退社した5人のエンジニアが、その後SAPを企業しました。
SAP ジャパンについて
項目 | 詳細 |
---|---|
正式名称 | SAPジャパン株式会社 |
設立 | 1972年 |
代表者 | 鈴木 洋史(代表取締役社長) |
従業員数 | 1,651名(2021年1月時点) |
本社所在地 | 東京都千代田区大手町1-2-1 三井物産ビル |
SAP ジャパンは、エンタープライズ・アプリケーション・ソフトウェアにおけるマーケットリーダーとして様々な業種における様々な規模の企業を支援しているSAP SE の日本法人として、1992年に設立されました。
SAPの事業について
SAPは、主にビジネス向けのソフトウェアの開発を主な事業としています。特に、ERP(Enterprise Resource Planning)の導入などを通じ、顧客の経営・業務変革を支援しています。
SAPの主な製品は以下の通りです1。
- ERPソリューション(SAP S/4HANA Cloud)
- ビジネスネットワーク(SAP Business Network)
- ビジネスプロセストランスフォーメーション(SAP Signavio)
- ビジネステクノロジープラットフォーム(SAP Business Technology Platform)
- 顧客管理と顧客体験(CRMとCXソリューション)
- 財務管理
- 人事・人材管理(SAP SuccessFactors HCM)
- サービス管理
- 支出管理(SAP Ariba, SAP Fieldglass, SAP Concuer)
- サプライチェーン管理(SAP SCM)
- サステナビリティ管理(SAP Sustainability Control Tower)
ERP(エンタープライズリソースプランニング)は、企業内の業務プロセスを一元的に管理し、自動化するためのソフトウェアシステムです。経理・財務や人事、製造、購買など、様々な部門のデータを統合し、業務の効率化と正確性向上を支援します
SAPのビジョン・ミッション
SAPのビジョンとミッションは以下です。
Vision
We bring out the best in every business.
あらゆるビジネスで最高の成果を実現すること。
参照:What is SAP’s vision and mission?
このビジョンを実現するために、SAPは以下の3つの目標をミッションとして掲げています。
Mission
参照:What is SAP’s vision and mission?
- Agility at scale(スケールに応じた俊敏性)
- Achieve more across the value chain(バリューチェーン全体でより多くの成果を達成)
- Sustainability at your core(サステナビリティを中核に添える)
SAPジャパンビジョン
SAPジャパンは、1992年に設立され、SAP SEの日本法人として活動しています。創立20周年を迎えた際、次の20年を見据えた中長期的な指針として、「SAP Japan Vision 2032」を策定しました。
SAPジャパンビジョン
ニッポンの「未来」を現実にする
世界の叡智と革新性をもって、変革を目指す全ての人と共により良い明日を創る
人:情熱を持ち信頼に応える人材
- お客様志向で常に感謝の気持ちを忘れないプロフェッショナル集団であり続ける
- 多様な価値観、人種、性別、年齢、働き方の違いを尊重し、創造性豊かな文化をつくる
- 顧客、パートナーと共にグローバルの視点で成長し活躍する
顧客:日本のお客様の信頼が事業の礎
- 「お客様の未来」を共に考え、実現する
- 日本企業の競争力強化と真のグローバル化を推進する
- One SAPで最良の価値をお客様へ中長期に渡って提供し続ける
製品・サービス:日本に価値あるソリューション
- 革新的な製品・サービスをスピード感を持って日本市場に展開し続ける
- 価値ある製品・サービスを日本から世界へ発信する
- 日本におけるSAPへの期待と信頼を確立する
社会:笑顔で暮らせる豊かな社会
- 日々の生活を豊かにし、社会全体の安定化に貢献する
- 日本が直面する課題の解決に積極的に関わり、世界に発信する
- 社会の一員として積極的にCSR活動を実施する
エコシステム
- ビジョンと情熱を共有し、共に目的を達成するエコシステム
行動 5 原則
参照:SAPジャパンビジョン
- 1. Be SAP Ambassadors / 他の誰でもない、あなたがSAPの代表としてオーナーシップを持って行動する
- 2. Be Borderless / 壁など無い立場や言葉・文化の壁を超え、オープンな思考で行動する
- 3. Be Creative / あなただけの発想を既成概念に捉われず、常に新たな発想を持つ
- 4. Take Smart Risks / 挑戦無くして成長無しより大きな成長と成果のためにリスクを取ることを臆さない
- 5. Have Fun / 充実した毎日を!!それぞれの価値観を尊重し、毎日を楽しむ
SAP Japan 2026
2024年1月、SAPジャパンは上記の「SAP Japan Vision 2032」を実現するための中期変革プログラムである、「SAP Japan 2026」をスタートしました2。
掲げるビジョンは、 「Bloom with Japan~世界に誇れる仲間と共に、ニッポンの未来を咲かせよう。さあ、No.1クラウドカンパニーへ」です。
画像引用元:Japan2026始動。
このビジョンについて、代表取締役社長の鈴木洋史氏は「SAPジャパンの社員である我々が、ロールモデルとして世界に誇れる人材になろうという意思、そしてグローバルの仲間たちや協業でビジネスを推進する人々を含めたエコシステム全体で、共に飛躍したいという思いを込めました」と語っています。
SAPジャパンの新卒採用
募集職種
SAPジャパンの新卒採用では、過去に以下のようなポジションで募集がありました。
- 営業職
- プリセールス職
- ITコンサルタント職
- カスタマーサクセス職
採用人数
2017年のNIKKEI リスキリングの記事によると、年によって違いますが、SAPは毎年20人前後を採用しているようです3。
インターン
SAPジャパンは、「STAR(SAP Student Training and Rotation)プログラム」という長期インターン制度を導入しています。
26卒向けには、営業、プリセールス、ITコンサルタント、カスタマーサクセス、APJデジタルハブ、エンタープライズクラウドサービスの6部門で募集がありました。
日経XTECHの記事によると、新人の理想とギャップを少なくするために開始したのがSTARプログラムで、可能な限り社員と同じよう働いてもらうように設計されています4。
この長期インターンシップは内々定直結型のため、SAPを志望している方はチャレンジすることをお勧めします。
採用倍率
SAPジャパンの新卒採用倍率は約200倍と推定されます。
参考値として、同じIT業界のGoogleの採用率は0.2%(倍率にすると500倍)と言われています5。SAPは企業向けのビジネスに特化し、Googleほどの認知度を持たないため、Googleに比べて応募数が少ないと推定されます。
毎年約20人を採用するに対し、応募者数は約4,000人と予想され、つまり、SAPジャパンの新卒採用は比較的高い競争率が予想されるものの、Googleジャパンほどではないと言えるでしょう。
就職難易度
SAPジャパンの就職難易度は非常に高いと言えます。
採用人数は毎年約20人前後と少なく、新卒採用の倍率は約200倍近くに達することが推定されます。
また、ドイツに本社を持つグローバル企業であるため、高い英語力が求められるほか、IT企業であるため職種に限らずテクノロジーへの基本的な理解や学習意欲が求められるため、優秀な人材が集まる競争率の高い就職先と言えます。
選考対策
1. SAPの製品やサービスについて理解を深める
SAPの製品やサービスは、学生にとって馴染みが薄いかもしれませんが、それだけに、製品やサービスへの深い理解は他の候補者との差別化が狙えます。
まずは、SAPの主力製品であるSAP S/4HANAをはじめ、各製品が企業の課題をどう解決しているかを把握しましょう。
これにより、選考時により具体的で説得力の志望動機を語ることが出来ます。
2. 自分の強みとSAPの求める人材像とのマッチングを考える
SAPジャパンは上記の「SAP Japan Vision 2032」の中で、求める人材像を明確に定義しています。「情熱と信頼を持ち合わせた人物」や「お客様志向」「多様な価値観」「グローバルな視点」を持つことが重要です。
自分の強みが、これらの特性とどのように合致しているかを整理し、選考時に具体的にアピールしましょう。
また、「SAP Japan 2026」や「SAP Japan Vision 2032」の達成に、自分がどのように貢献できるかという視点を取り入れて、自己PRを作成することが有効です。
3. 英語力を高める
SAPジャパンでは、入社時までにTOEIC800点以上の取得を推奨されています6。
あくまで入社までのため、内定を目指す就職活動の段階でTOEIC800点以上が必要なわけではありませんが、グローバル企業であるSAPジャパンの選考過程の中には、英語力が求められるものが過去にありました。
実際、外資就活のデータによると、内定者の8割以上はTOEIC700点以上を有しているようです。
給与と福利厚生
平均年収
Openworkによると、SAPジャパンの年収に関する項目への回答者の平均年収は1095万円です。
福利厚生
SAPジャパンは、充実した福利厚生の制度で知られています。以下は、SAPジャパンが提供する福利厚生の一部です。
- ジョブポスティング(社内異動チャレンジ制度)
- 社内イントレプレナーコンテスト
- Japan2023 中期計画プログラム
- パーパス研修
- グローバル研修(Academy)
- 確定拠出年金制度
- 自社株割引購入制度
- 総合福祉団体定期保険
- 総合福祉厚生サービス(旅行・宿泊・スポーツクラブ・カルチャー・介護など)
- ヘルスケアセンター(無料マッサージサービス)
- SAPカフェ
- 永年勤続表彰(5年、10年、15年)
- 従業員支援サービス
- 定期健康診断
- 退職金
よくある質問
- 技術系のバックグラウンドがなくてもSAPジャパンに就職できますか?
-
結論:はい、就職できます。
SAPジャパンは、技術系の職種だけではなく、ビジネス系の職種の人材も採用しています。
- どのくらい英語力は求められますか?
-
結論:SAPジャパンでは、入社時までにTOEIC800点以上の取得を推奨されています。
ただ、応募の時点でスコアが満たない場合でも、自身の向上に果敢に取り組み、チャレンジマインドのある方は大歓迎とされています。
本社がドイツにあるグローバル企業であるため、社内ドキュメントやツールが一部英語であったり、ドイツ本社や他の国の拠点の従業員と英語でのコミュニケーションが必要なる場面もあります。
- SAPジャパンでの仕事は激務ですか?
-
結論:常識の範囲内で、激しく働くことが求められます。
Openworkの調査によると、SAPジャパンは2023年の「働きがいのある企業ランキング」で初のランクインをし、「法令順守意識」と「人事評価の適正感」が高い結果となりました7。
その反面で、外資系企業であるがために、基本的に成果主義が根付いており、成果が出せる人は満足度が高くなります。