皆さんがプログラミングを学びたいと思ったとき、最初に考えるのはおそらく学費や教材の費用がどれくらいかかるのかということでしょう。しかし、実際には無料でプログラミングを学ぶ方法があります。その中でも特におすすめなのが、ハーバード大学が提供するオンラインコース「CS50」です。私自身がハーバード大学CS50を完全オンラインで修了した経験を基に、この記事では、CS50の特徴と気になる内容や疑問点について解説していきます。
ハーバード大学CS50の概要
CS50(Computer Science 50)は、ハーバード大学のコンピュータサイエンスの導入コースであり、プログラミング初心者向けの学習プログラムです。
世界的に有名な教授であるDavid J. Malan氏が指導を担当しており、多くの学生に愛される人気のあるコースです。
ハーバード大学CS50の特徴とカリキュラム
幅広いトピック
CS50では、コンピュータサイエンスの基礎から応用まで幅広いトピックをカバーしています。プログラムの設計、アルゴリズム、データ構造、Web開発、セキュリティ、人工知能など、幅広い分野を学ぶことができます。
今回私が取り上げるのは、スタンダードなCS50です。CS50AIやCS50Webなどそれぞれの分野に特化した教材もあります。
豊富な言語と環境
CS50では、プログラミング言語としてCやPython、JavaScriptなど、複数の言語を使用します。さまざまな環境での開発を通じて、実践的なスキルを身につけることができます。
実践的なプロジェクト
CS50は、理論だけでなく、実際にプログラムを作成することに重点を置いています。学生は個別のプロジェクトやチームプロジェクトに取り組み、実際のアプリケーションやゲームを開発します。
無料かつオンラインで完結
CS50はオンラインで完全に無料で提供されており、世界中の学習者が参加できます。講義動画や教材は公式ウェブサイトでアクセス可能であり、多言語字幕や翻訳ツールによって、英語が苦手な学習者でも学びやすくなっています。
また、DiscordやRedditといったオンラインコミュニケーションツールを使って全世界の生徒と共に教え合い、協力しながら学ぶことができます。実際に私も最終課題で行き詰まった時にDiscordを使って他の生徒に助けを求め、乗り越えることができました。
ハーバード大学の学位プログラムとしても実施されている
CS50はハーバード大学の学位プログラムでも提供されており、修了すると正式な単位を取得できます。一部の学生は、大学の単位を得るために履修することを選択しています。
ハーバード大学から発行される修了証明書は手にしたときに非常に達成感を感じることができます。もちろん証明書も無料でもらうことができます。
ハーバード大学CS50の難易度とサポート
CS50は、プログラミング初心者から経験豊富なプログラマーまで、さまざまなレベルの学習者を対象としています。初心者の場合でも、David Malan教授のわかりやすい講義と豊富なサポートリソースにより、学習を進めることができます。
また、学生同士のコミュニケーションを促進するオンラインフォーラムも存在し、疑問や問題を解決するための助け合いの場として利用できます。先ほど記載した、DiscordやRedditがこれに当てはまりますが、他にも日本人に親しみやすいものとして、Facebook、Instagram、Tiktok、X(旧 Twitter)なども交流の場として活用できます。
So that students can connect with classmates via platforms on which they’re already spending (too much!) time, CS50 has official communities on Discord, Ed, Facebook, Gitter, Instagram, LinkedIn, Quora, Reddit, Slack, Snapchat, SoundCloud, Stack Exchange, TikTok, Twitter, and YouTube.
If not already a user of any of those, allow us to suggest that you start with Ed!
https://cs50.harvard.edu/x/2022/communities/
実際、受講生の約70%はプログラミング完全未経験者ということが授業内で説明されます。最初の授業では、Scratchというアプリを使って簡単なゲームをつくる授業なのですが、初心者でも親しみやすいものとなっております。
ハーバード大学CS50は、無料で提供される一方で、内容の質や学習の充実度は非常に高く評価されています。実際に私自身がこのコースを修了し、その効果を実感した経験から言えることは、プログラミングを学ぶ最良の選択肢の一つであるということです。興味を持った方は、公式ウェブサイトを訪れて自分のペースで学習を始めてみると良いでしょう。
ハーバード大学CS50を実際に受講してみよう
ハーバード大学CS50の公式ウェブサイトにアクセスします。ウェブサイトは英語で提供されていますが、多言語サポートがあるため、英語が苦手な方でも利用可能です。
https://pll.harvard.edu/course/cs50-introduction-computer-science
こちらからアクセスできます。
ウェブサイトにアクセス後、edXの新規アカウントを作成します。アカウントの作成には、メールアドレスやユーザー名、パスワードを入力する必要があります。
CS50のウェブサイトにログインしたら、受講したいコースを選択します。CS50には、オンライン版(CS50x)とキャンパス版(CS50)がありますが、オンライン版を無料で受講することができます。今回はオンラインでの受講なのでCS50xを選択しましょう。
ウェブサイト内で講義動画を視聴することができます。講義は、David J. Malan教授によってわかりやすく行われており、プログラミングの基礎から応用までを幅広く学ぶことができます。授業はすべてYouTubeにアップロードされているので、好きな時に好きなだけ視聴することができます。
CS50では、課題やプロジェクトに取り組むことで実践的なスキルを身につけることができます。提出方法や詳細な指示はウェブサイト内に記載されています。課題はLabという小問とProblem Setという練習問題に分かれています。
受講中に疑問や問題が生じた場合は、CS50のオンラインフォーラムを利用して他の学生やスタッフとコミュニケーションを取ることができます。また、豊富なサポートリソースも提供されています。また、英語での学習に抵抗がある方がCODEGYMという会社がCS50のサイトをすべて日本語訳してくれていますのでそちらを参照してみましょう。
日本語訳版と公式サイトを見比べながら課題を進めていくようにしましょう。
コースを修了したら、CS50から修了証を取得することができます。この修了証は、無料で提供されるものですが、有料で取得したい場合は課金オプションもあります。課金すると実際に印刷されたものがアメリカから発送されることになります。非常に高額なのであまりお勧めはしておりません。無料でもデジタルの修了証明書が貰えるからです。修了証明書も大事ですが、課題を通して作り上げるポートフォリオこそが今後のキャリアへ繋がっていくきっかけになるでしょう。
ハーバード大学CS50を受講して感じたこと
私は完全に文系人間で今までプログラミングというものに触れてきたことがありませんでした。そこで見つけたのがこのCS50というプログラムでした。
日本ではあまり知られておらずメジャーな学習方法ではなかったのですが、天下のハーバード大学の授業を受けてみたいということで受講しました。
このCS50というコースは、大きく分けて①C言語、②Python、③WEB開発という流れで進みます。その中でアルゴリズムやデータベースなど、いわゆるコンピューターサイエンスの知識を補いながら進みます。
正直に言うと、最初私はかなり難しいと感じました。しかし、だからと言っておすすめしないわけではありません。
プログラミング学習は多くの人が最初の段階で挫折すると言われています。このコースの良いところはそんな挫折しかけた自分をサポートしてくれる環境があることだと思います。先ほど記載したオンラインフォーラムを活用して他の人に頼るということをおすすめします。ましてや今は、Chat GPTなどのサービスを活用しながら学習することができます。
初心者ながら必死に調べたり、助けを求めたりしながら、結果的に最終課題も提出することができ、晴れて終了することができました。受講開始から修了まで、私の場合は1ヶ月ほどかかりました。
これは比較的早いペースですが、この短い期間でプログラミングの基礎知識を体系的に学ぶことができるコースは他にないのではないでしょうか。通常だと3ヶ月ほどはかかると言われておりますが、私の場合はまとまった時間で一気に進めてしまったので1ヶ月ほどで修了しました。具体的には1日3時間から5時間は学習に時間を充てていたと思います。自分で好きな時に好きなだけ進める事ができるのもこのハーバード大学CS50の大きな特徴と言えます。
まとめ
ハーバード大学CS50の良い点
- 完全無料のプログラミングコース
- ハーバード大学から修了証明書をもらうことができる
- 体系的にコンピューターサイエンスを学ぶことができる
ハーバード大学CS50の懸念点
- 初心者には課題が難しい(しかし手助けはたくさんあります。)
- 挫折する人が多い(だからこそ、最終課題を終えた時の達成感を味わって欲しいです。)
結論
ハーバード大学CS50は受けて良かったと心の底から思っています。
コンピュータサイエンスや、IT全般に関する知識や心構えなど、このコースを乗り越えたおかげで得られたものが非常に多いです。皆さんも、ぜひチャレンジしてみてください。