Amazonの会社概要
Amazon.com, Inc. (米国本社)について
Amazon.comは、1994年にジェフ・ベゾスによって設立されたアメリカの多国籍テクノロジー企業です。以下は、Amazonの会社概要です。
項目 | 詳細 |
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正式名称 | Amazon.com, Inc. |
設立 | 1995年7月 |
創業者 | ジェフ・ベゾス (Jeff Bezos) |
本社所在地 | アメリカ合衆国ワシントン州シアトル |
Amazon Japan について
アマゾンジャパン合同会社は、Amazon.com, Inc. の日本法人であり、Amazonの日本市場における事業運営を行っています。以下はアマゾンジャパン合同会社の概要です。
項目 | 詳細 |
---|---|
正式名称 | アマゾンジャパン合同会社 |
設立 | 2000年8月 |
代表者 | 社長 ジャスパー・チャン (Jasper Cheung) |
本社所在地 | 東京都目黒区下目黒1丁目8-1 ARCO TOWER |
※この記事において、 「Amazon」とは主に「アマゾンジャパン」のことを指します。
Amazonの主な事業
E-Commerce ビジネス
Amazonの中核を成す事業で、オンラインショッピングプラットフォームを運営しています。直販モデルでは、Amazonが直接商品を仕入れて販売し、出品サービスモデルでは、外部の販売事業者がAmazonのプラットフォーム上で商品を販売します。書籍から家電、食品まで幅広い商品カテゴリーを取り扱い、顧客に豊富な選択肢を提供しています。
Amazon Prime 会員サービス
有料会員制サービスで、迅速な配送、映画や音楽のストリーミング、電子書籍など多様な特典を提供しています。Primeは顧客のロイヤリティを高め、Amazonのエコシステムへの依存度を増加させる重要な戦略的サービスとなっています。
広告ビジネス
Amazonの広告部門である、Amazon Media Group (AMG)が提供する広告サービスで、Amazonのプラットフォームを活用した多様な広告ソリューションを展開しています。ディスプレイ広告、eコマース広告、動画広告、プログラマティック広告など、様々な形態の広告を提供し、広告主に効果的なマーケティング機会を提供しています。
Amazonの企業カルチャー
Amazonのカルチャーは、主に以下の3つの要素に根ざしています。
お客様中心主義
Amazonは創業以来、「お客様を起点に考える」という精神を貫いています。1995年にジェフ・ベゾスがオンライン書店としてスタートして以来、ビジネスモデルは進化を続けていますが、顧客のニーズを最優先する姿勢は変わっていません。低価格、豊富な品揃え、利便性の向上を常に追求し、書籍から日用品、デジタルサービスまで幅広い商品を提供しています。さらに、世界各国で事業を展開し、グローバルな物流ネットワークを構築することで、より良いサービスを提供し続けています。
Day One の精神
Amazonでは「Always Day One」という考え方を重視しています。これは、常に新しい挑戦に向かう姿勢を表しています。創業当初、インターネット専門の小売店の成功を疑問視する声が多い中、ベゾスは大胆にチャレンジしました。この精神は今も続いており、毎日を新たな始まりと捉え、革新的なアイデアを形にする機会だと考えています。この「Day One」の考え方がAmazonの成長と革新の原動力となっています。
現状に満足することなく、常に今よりも上を目指す
Amazonは現状に満足することなく、常により良いサービスを目指しています。世界中の顧客ニーズに応えるため、価格、品揃え、利便性の面で日々改善を重ねています。また、最高の雇用主となり、最も安全な職場を提供することも目指しており、顧客だけでなく従業員にも焦点を当てた企業文化を形成しています。
Amazonの新卒採用
採用プロセス
Amazonの新卒採用プロセスは、一般的に以下のプロセスで構成されています。
amazon.jobs から応募します。
Amazon では、応募者について深く知るための手段のひとつとして、オンラインアセスメントを採用しています。 これらのアセスメントは、仕事をこなすのに求められる主要な適性を見極めるためのものとされています。
採用担当者から選抜された候補者のみ、複数回の面接を受けます。
募集コース・職種
以下はAmazonで主に募集されているコースと職種です。
募集コース | 職種 |
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Businessコース | コンシューマー総合職 |
オペレーション総合職 | |
カスタマーサービスマネージャー | |
Specialistコース | ファイナンシャルアナリスト |
サプライチェーンスペシャリスト | |
オペレーションエンジニア | |
Techコース | Software Development Engineer |
採用人数
Amazonが公式が2018年に公開した記事「Amazonで仕事に就くには」よると、Amazonでは4月と9月の採用期に合計100名強の新卒採用枠を日本全国のオフィスで設けているようです。
当時より日本で事業が拡大しており、SNSに公開された2024年度の入社式の様子から推測すると、現在は1年に150名ほどを採用していると思われます。
就職難易度
Amazonへの就職は一般的に難易度が高いと言われています。その理由として以下が挙げられます:
- 高い知名度とそれに伴う競争率:世界的に知名度の高い企業であるため、多くの応募者が殺到します。
- 厳しい選考基準:Amazonは高い基準を設定し、優秀な人材のみを採用する方針を取っています。
- 独自の企業文化:Amazonの企業文化や価値観に適合する人材を慎重に選考しています。
ただし、具体的な難易度や倍率は公表されていないため、正確な数値を示すことは困難です。
Amazonの新卒に求められる人物像とスキルセット
Amazonは新卒採用において、同社の行動指針である「Our Leadership Principles(OLP)」を理解し実践できる人材を求めています。
具体例としては、”Customer Obsession” =「お客様第一主義」を体現し、顧客満足度向上に情熱を注げる人材、”Insist on the Highest Standards” = 「高い水準を追求する」を体現し、チームがより品質の高い商品やサービス、プロセスを実現できるように推進する人材などです。また、「Day One」の精神を持ち、常に新しいアイデアや方法を追求する革新性と創造性が重視されます。
さらに、データ駆動型の意思決定ができる分析力と問題解決能力、そして多様なバックグラウンドを持つ同僚や顧客がいる環境で効果的にコミュニケーションを取れる能力も重要です。
Our Leadership Principles (OLP)
Our Leadership Principles(OLP)
- Customer Obsession
- Ownership
- Invent and Simplify
- Are Right, A Lot
- Learn and Be Curious
- Hire and Develop the Best
- Insist on the Highest Standards
- Think Big
- Bias for Action
- Frugality
- Earn Trust
- Dive Deep
- Have Backbone; Disagree and Commit
- Deliver Results
- Strive to be Earth’s Best Employer
- Success and Scale Bring Broad Responsibility
Amazonの選考対策
1. リーダーシップ・プリンシプルの理解と実践
Amazonの「Our Leadership Principles(OLP)」を深く理解し、自身の経験と結びつけて具体的な例を準備しましょう。成功だけでなく失敗の経験も重要です。面接では、これらの原則に基づいた行動や思考を示すことが求められます。また、顧客中心主義や革新性など、Amazonの企業文化に合致する自身の強みをアピールすることが重要です。
2. Why Amazon? の明確化
選考対策には、まず「なぜAmazonで働きたいのか」を明確にすることが重要です。Amazonの企業文化や経営方針、そして自身のキャリア目標について深く考え、その理由を具体的に述べられるようにしましょう。また、職種別採用のため、どの事業や部門に興味があるか、そこでどのように貢献したいかを具体的に説明できるようにしておくことが大切です。
Amazonの初任給と福利厚生
初任給
Amazonの新卒採用における初任給は、業界の中でも競争力のある水準に設定されています。以下が、新卒採用の募集要項に記載されている内容です。
給与
Amazonでは、給与について「トータルコンペンセーション」という考え方をもっています。これは、基本給に加え、各種手当などを含めた総報酬にて管理するということです。また、貢献度に応じた実力主義の報酬体系(個人の業績だけでなく、チームへの貢献度や周囲への影響度も含めたトータルな実力を評価)としています。
Amazon.co.jp: 募集要項
月額基本給:354,584円以上(年俸制12分割支給)
基本給には、月70時間の時間外労働手当に相当する時間外労働手当、深夜勤務手当、法定休日勤務手当分(固定残業代)が含まれている。
ただし70時間分を超える時間外労働手当、深夜勤務手当、法定休日勤務手当(固定残業代)についての割増賃金は追加で支給。
基本給が月額354,584円の場合、固定残業代の額は月額125,358円であり、固定残業代を含まない基本給の額は229,226円である。
※諸条件により異なります。
※別途、株式、サイニングボーナスの付与有
「※別途、株式、サイニングボーナスの付与有」と記載があるように、基本給に加えて株式報酬が付与されることが一般的です。
OLPに “Ownership” という言葉があるように、Amazon では社員が会社のオーナーになれる機会を提供しています。社員に対しオーナーのように考えることを求め、社員にオーナーシップの機会を与える一環として譲渡制限付き株式(Restricted Stock Unit)の付与を実施しています。RSUは一定期間後に株式として支給される報酬で、通常4年間にわたって段階的に権利確定します。
福利厚生
Amazonは従業員の健康と生活をサポートする充実した福利厚生制度を提供しています。
福利厚生
社員割引制度
Amazon.co.jp: 募集要項
会員制福利厚生プログラム
従業員支援プログラム
よくある質問
- 英語力は必須?
-
結論:ポジションによる。
アマゾンジャパンは基本的に日本人の従業員が日本のお客様を相手にビジネスをしているため、多くのポジションでは英語は必須ではありません。Software Development Engineerのように、そもそも働くメンバーが多国籍となる部門のポジションでは英語力は必須となり、英語での選考が含まれます。ただ、過去に普段の業務で日本語をメインに使うポジションでも、英語のアセスメントが課されたこともあります。
- 働き方はハードか?
-
結論:ハードではある。(良いか悪いかは別として)
OLPに “Insist on the Highest Standards” という言葉があるように、Amazonは従業員に対して高い業績基準を設定しており、常に結果を求める企業文化があります。これは一部の従業員にとってはストレスの要因となる可能性がありますが、同時に成長の機会にもなり得ます。
- 学歴フィルターはあるか?
-
結論:学歴フィルターはない。
Amazonが公式で公開している「Amazonで仕事に就くには」という記事には、以下のように記載されています。
有能な就活生が、応募すらせずに頭の中だけで採用されるかどうか悩んでいるというケースがよくあります。学校の成績が優秀でなかったからとか、出身大学のレベルが高くないという理由からです。でも実際はそんな心配は無用です。あなたが情熱を持ち、好奇心旺盛で、行動優先型の人物であり、常に変化し成長し続ける会社で働きたいと思っているならば、私たちはあなたからの応募を待っています。
About Amazon: Amazonで仕事に就くには
まとめ
今回は、新卒でAmazonに就職するために必要な情報をまとめました。「Our Leadership Principles(OLP)」や「Always Day One」の精神など、独特の企業文化を持つ企業のため、企業文化それに基づく事業をしっかりと理解した上で選考に臨みましょう。