AWSの会社概要
AWS(Amazon Web Service) はAmazon.com, Inc.のクラウドコンピューティング部門ですが、日本ではアマゾンジャパン合同会社とは別法人として運営されています。
アマゾンウェブサービスジャパン合同会社の概要
アマゾンウェブサービスジャパン合同会社は、Amazon Web Services (AWS)のクラウドコンピューティングサービスを日本市場で提供する企業です。
項目 | 詳細 |
---|---|
正式名称 | アマゾンウェブサービスジャパン合同会社 |
設立 | 20011年3月 |
代表者 | ハイミ・バレス(Jaime Valles)(暫定) |
本社所在地 | 東京都目黒区下目黒1丁目8-1 ARCO TOWER |
AWSのカルチャー
AWSは、Amazonのカルチャーを受け継ぎ、お客様中心主義、Day Oneの精神、現状に満足することなく、常に今よりも上を目指す、といったものが根付いています。
Day One の精神
AWSでは「Always Day One」という考え方を重視しています。これは、常に新しい挑戦に向かう姿勢を表しています。毎日を新たな始まりと捉え、革新的なアイデアを形にする機会だと考えています。この「Day One」の考え方がAWSの成長と革新の原動力となっています。
現状に満足することなく、常に今よりも上を目指す
AWSは現状に満足することなく、常により良いサービスを目指しています。世界中の顧客ニーズに応えるため、より品質の高い商品やサービスを実現できるように推進しています。また、AWSは顧客だけでなく従業員にも焦点を当て、最高の職場環境を提供することを目指しています
AWSの新卒採用
採用プロセス
AWSの新卒採用プロセスは、一般的に以下のプロセスで構成されています。
amazon.jobs から応募します。
AWS では、応募者について深く知るための手段のひとつとして、オンラインアセスメントを採用しています。 これらのアセスメントは、仕事をこなすのに求められる主要な適性を見極めるためのものとされています。
採用担当者から選抜された候補者のみ、複数回の面接を受けます。
募集コース・職種
以下はAWSで主に募集されているコースと職種です。
募集コース | 職種 |
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Businessコース | AWS営業職 |
Techコース | AWSソリューションアーキテクト |
AWSクラウドサポートエンジニア |
採用人数
Amazonが公式が2018年に公開した記事「Amazonで仕事に就くには」よると、Amazonでは合計100名強の新卒採用枠を日本全国のオフィスで設けているようです。
当時より日本で事業が拡大しており、SNSに公開された2024年度の入社式の様子から推測すると、アマゾンジャパン合同会社とアマゾンウェブサービスジャパン合同会社を合わせて、現在は1年に200名ほどを採用していると思われます。AmazonとAWSの事業規模を考慮すると、全体の半分以下、50名から70名ほどを採用していると思われます。
就職難易度
AWSへの就職は一般的に難易度が高いと言われています。その理由として以下が挙げられます:
- 高い知名度とそれに伴う競争率:世界的に知名度の高い企業であるため、多くの応募者が殺到します。
- 厳しい選考基準:AWSは高い基準を設定し、優秀な人材のみを採用する方針を取っています。
- 独自の企業文化:AWSの企業文化や価値観に適合する人材を慎重に選考しています。
ただし、具体的な難易度や倍率は公表されていないため、正確な数値を示すことは困難です。
求められる人物像とスキルセット
AWSは新卒採用において、同社の行動指針である「Our Leadership Principles(OLP)」を理解し実践できる人材を求めています。
具体例としては、”Customer Obsession” =「お客様第一主義」を体現し、顧客満足度向上に情熱を注げる人材、”Insist on the Highest Standards” = 「高い水準を追求する」を体現し、チームがより品質の高い商品やサービス、プロセスを実現できるように推進する人材などです。
また、「Day One」の精神を持ち、常に新しいアイデアや方法を追求する革新性と創造性が重視されます。さらに、データ駆動型の意思決定ができる分析力と問題解決能力、そして多様なバックグラウンドを持つ同僚や顧客がいる環境で効果的にコミュニケーションを取れる能力も重要です。
Our Leadership Principles (OLP)
Our Leadership Principles(OLP)
- Customer Obsession
- Ownership
- Invent and Simplify
- Are Right, A Lot
- Learn and Be Curious
- Hire and Develop the Best
- Insist on the Highest Standards
- Think Big
- Bias for Action
- Frugality
- Earn Trust
- Dive Deep
- Have Backbone; Disagree and Commit
- Deliver Results
- Strive to be Earth’s Best Employer
- Success and Scale Bring Broad Responsibility
また、アマゾンジャパン合同会社で求められるものと異なる点として、技術スキルがあります。AWSの新卒採用サイトには、以下のような記載があります。
独学でプログラミング、ネットワーク、データベース等を学ばれている方、AWS ジャパンに興味をお持ちの方、大歓迎です。
新卒採用|AWS Japan
必ずしもこれらのスキルを身につけている必要はありませんが、テクニカルスキルを学んだことのある経験や、これから学ぶ意欲があることが重要になります。
選考対策
1. リーダーシップ・プリンシプルの理解と実践
Amazonの「Our Leadership Principles(OLP)」を深く理解し、自身の経験と結びつけて具体的な例を準備しましょう。成功だけでなく失敗の経験も重要です。面接では、これらの原則に基づいた行動や思考を示すことが求められます。また、顧客中心主義や革新性など、Amazonの企業文化に合致する自身の強みをアピールすることが重要です。
2. Why AWS? の明確化
選考対策には、まず「なぜAWSで働きたいのか」を明確にすることが重要です。AmazonおよびAWSの企業文化や経営方針、そして自身のキャリア目標について深く考え、その理由を具体的に述べられるようにしましょう。また、職種別採用のため、どの事業や部門に興味があるか、そこでどのように貢献したいかを具体的に説明できるようにしておくことが大切です。
3. 技術スキルの習得
前述した通り、AWSでは技術スキルのある人材が歓迎されており、エンジニアポジションでは「技術面接」があります。エンジニアのポジションを志望している方はアピールできるような技術スキルの習得を目指し、ビジネスのポジションを目指している方は、技術への興味関心をアピールすことが重要です。
給与と福利厚生
給与
AWSの新卒採用における給与は、業界の中でも競争力のある水準に設定されています。以下が、新卒採用の募集要項に記載されている内容です。
給与
Amazonでは、給与について「トータルコンペンセーション」という考え方をもっています。これは、基本給に加え、各種手当などを含めた総報酬にて管理するということです。また、貢献度に応じた実力主義の報酬体系(個人の業績だけでなく、チームへの貢献度や周囲への影響度も含めたトータルな実力を評価)としています。
Amazon.co.jp: 募集要項
月額基本給:354,584円以上(年俸制12分割支給)
基本給には、月70時間の時間外労働手当に相当する時間外労働手当、深夜勤務手当、法定休日勤務手当分(固定残業代)が含まれている。
ただし70時間分を超える時間外労働手当、深夜勤務手当、法定休日勤務手当(固定残業代)についての割増賃金は追加で支給。
基本給が月額354,584円の場合、固定残業代の額は月額125,358円であり、固定残業代を含まない基本給の額は229,226円である。
※諸条件により異なります。
※別途、株式、サイニングボーナスの付与有
「※別途、株式、サイニングボーナスの付与有」と記載があるように、基本給に加えて株式報酬が付与されることが一般的です。
OLPに “Ownership” という言葉があるように、Amazon では社員が会社のオーナーになれる機会を提供しています。社員に対しオーナーのように考えることを求め、社員にオーナーシップの機会を与える一環として譲渡制限付き株式(Restricted Stock Unit)の付与を実施しています。RSUは一定期間後に株式として支給される報酬で、通常4年間にわたって段階的に権利確定します。
よくある質問
- 英語力は必須?
-
結論:読み書きレベルは必要となる。
AWSの新卒採用サイトには、以下のような記載があります。
社内文書やツール類の日本語が一部未整備のため、 読み書きレベルは必要となります(TOEIC(R)テスト 600 点がひとつの目安です)。ただ、業務を通じて磨いている者もたくさんおりますので、英語が得意でなくとも英語力を身に付けたいと思っている方は歓迎しております。
新卒採用|AWS Japan - 働き方はハードか?
-
結論:ハードではある。(良いか悪いかは別として)
OLPに “Insist on the Highest Standards” という言葉があるように、AWSは従業員に対して高い業績基準を設定しており、常に結果を求める企業文化があります。これは一部の従業員にとってはストレスの要因となる可能性がありますが、同時に成長の機会にもなり得ます。
- 学歴フィルターはあるか?
-
結論:学歴フィルターはない。
Amazonが公式で公開している「Amazonで仕事に就くには」という記事には、以下のように記載されています。
有能な就活生が、応募すらせずに頭の中だけで採用されるかどうか悩んでいるというケースがよくあります。学校の成績が優秀でなかったからとか、出身大学のレベルが高くないという理由からです。でも実際はそんな心配は無用です。あなたが情熱を持ち、好奇心旺盛で、行動優先型の人物であり、常に変化し成長し続ける会社で働きたいと思っているならば、私たちはあなたからの応募を待っています。
About Amazon: Amazonで仕事に就くには
まとめ
今回は、新卒でAmazonに就職するために必要な情報をまとめました。「Our Leadership Principles(OLP)」や「Always Day One」の精神など、独特の企業文化を持つ企業のため、企業文化それに基づく事業をしっかりと理解した上で選考に臨みましょう。また、Amazonと異なり、AWSでは技術スキルが求められる点も頭に入れておきましょう。